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2026.01.29

選挙の必須アイテム「必勝だるま」

タグ:#発見

選挙シーズンになると、ニュースや選挙事務所で必ず目にする真っ赤なだるま。
以前、目の入れ方についてご紹介しましたが、今回は 「なぜ選挙にだるまが使われるのか」 についてご紹介します。
 

選挙だるまとは

選挙事務所に置かれるだるまは、一般的に「必勝だるま」と呼ばれています。
通常のだるまと大きく異なる点が、胴体に書かれた文字です。

多くの場合、縦書きで大きく「必勝」と書かれているか、
候補者の名前を「必勝」の文字で挟むデザインが用いられています。

また、最初から黒目が描かれていないのも特徴のひとつ。
立候補の際に片目を入れ、当選が決まった後にもう一方の目を入れて開眼させる、
という願掛けの意味が込められているんです。
 

なぜ選挙にだるまが使われるのか

だるまのモデルは、禅宗の開祖とされる「達磨大師」です。
壁に向かって9年間座禅を続けたと伝えられるその姿から、
だるまは古くから忍耐力や不屈の精神の象徴とされてきたのだそう。

厳しい選挙戦に挑む姿勢と重なることから、
だるまは選挙の縁起物として用いられるようになりました。

●転んでも起き上がるカタチ
だるまは、底が丸く倒れにくい「起き上がり小法師」の要素を持っています。
何度倒れても起き上がる姿は、困難に直面しても前進し続ける姿勢を表し、
選挙という厳しい戦いに臨む心構えと重なります。

●魔除けとされる赤色
達磨大師が赤い法衣をまとっていたことに加え、
赤色は古くから魔除けの色として使われてきました。
現在では、邪気を払い、勝利を呼び込む色として認識されています。

●縁起のいい顔立ち
選挙だるまの代表的な産地である群馬県の「高崎だるま」は、
眉毛が鶴、髭が亀を表すように描かれており、
長寿や繁栄を象徴する縁起の良い意匠が特徴です。
 

選挙だるまが全国に広まった背景

だるま自体は江戸時代から存在していますが、
「必勝だるま」として選挙に定着したのは昭和30年代以降とされています。

1955年4月30日に行われた高崎市議会議員選挙では、
高崎のだるま職人が候補者のために「必勝」と書いただるまを制作しました。
これが、選挙だるまの始まりとされています。

当時はテレビが普及し始めた時代でもあり、
当選者がだるまに目を入れる様子がニュース映像として全国に放送されたことで、
選挙とだるまの結びつきが広く知られるようになったのだとか。

また、1977年頃から製造方法の変化によって、だるまの量産が可能になったことも、
全国的な需要の増加を支える要因となっています。

選挙規模によるだるまのサイズ目安

立候補する選挙の規模によって、選ばれるだるまの大きさには
一定の目安があるとされています。

●市議会・町議会選挙:高さ30~50(cm)程度
●市長・県議会・知事選挙:高さ30~55(cm)程度
●国政選挙(衆院・参院):高さ50~60(cm)程度

当選した後のダルマはどうなる?

一般的な願掛けだるまは、1年ほどでお焚き上げ供養を行うことが多いですが、
選挙の必勝だるまは扱いが異なります。

当選し、両目が入っただるまは
「当選の記録」や「成果の象徴」として、
そのまま事務所に飾られることが多く見られます。

当選回数分のだるまが並ぶ様子は、その候補者の歩みを示すものとも言えるでしょう。


選挙だるまは、単なる縁起物ではなく、厳しい選挙戦に向き合う覚悟や姿勢を表す存在として、今もなお選挙の現場で大切にされています。

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