スカジャンって縁起がいい?背中に込められた絵柄の意味
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スカジャンと聞いて、思い浮かぶのは艶のある生地に、背中いっぱいの刺繍。
鷲や虎、龍、富士山――
どれも力強く、印象に残るモチーフではないでしょうか。
"なんだか強そう" "迫力があってかっこいい"
そんな印象を持つ方も多いかもしれません。
実は、その背中に描かれた絵柄には、
縁起を担ぐ意味が込められていることをご存知でしょうか。
お土産から始まった横須賀スカジャン
横須賀スカジャンが生まれたのは、戦後間もない頃。
横須賀をはじめとした港町で、日本に駐留していた米兵たちが、
自分の記念や、家族へのお土産として持ち帰ったのが始まりだとされています。
異国の地で過ごした時間。
そして、無事に帰国できたという証。
その想いをカタチにしたのが、背中の刺繍だったのです。
だからこそ選ばれた柄は、
ただ派手なものや目立つ図柄ではなく、
意味を持つモチーフが多かったのかもしれません。
モチーフが持つそれぞれの意味合い
横須賀スカジャンの王道ともいえる「虎」と「龍」。
この二つは、古くから縁起物として親しまれてきました。
虎は災いを払い、身を守る存在。
「千里行って千里帰る」という言葉があるように、
遠くへ行っても、必ず無事に戻ってくる力の象徴とも言われています。
一方、龍は天へ昇る姿から運気の上昇や、物事がうまく運ぶことの象徴。
東洋では、幸運をもたらす神聖な存在として描かれてきたのだとか。
地を守る虎と、天を司る龍。
この2つが並ぶことで、守りと前進、両方の意味が重なると考えられています。
ちなみに、富士山が描かれているスカジャンも目にします。
日本一高い山であること。
裾野が広がる、安定した形。
そして、「ふじ」という響きが「無事」に通じること。
富士山は、目標や到達点を象徴すると同時に、
その歩みが穏やかに、長く続くことを願う存在でもあるのです。
婚礼行列や新生活の準備を象徴しています。
信じるか信じないか、かもしれません。
けれど、長い時間をかけて選ばれてきた柄には、ちゃんと理由がある。
そんな背景を知ったうえで袖を通すと、
スカジャンは、少し違って見えてくるはずです。
背中に、そっと願いを忍ばせる。
そんな一着を身にまとうのも、
悪くない選択ではないでしょうか。

