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2025.12.19

今年の年越しそばはどうする?意外と知らない由来と地域で異なる食べ方

タグ:#発見

もうすぐ大晦日。1年の締めくくりといえばやはり「年越しそば」。
なんとなく縁起物だからと食べてる方も多いのではないでしょうか。

実はその由来や食べ方には、深い意味や地域ごとに違いがあるんです。
また地域ごとにまったく違う“年越しのかたち”があるのも面白いところ。

今回は、年越しそばについて、また各地のユニークな蕎麦文化についてご紹介します。
 

年越しそばのルーツは江戸時代?

そもそもなぜ年末にお蕎麦を食べるようになったのでしょうか。
その起源は江戸時代にまで遡ると言われています。

一説によると、始まりは大阪の商家。
忙しい月末、奉公人たちの労をねぎらって振る舞われていた
「三十日(みそか)そば」がルーツなのだとか。

当時は「晦日そば」や「つごもりそば」とも呼ばれ、もともとは月末ごとの習慣だったのだとか。
それがやがて一年の締めくくりである大晦日に定着し、今の年越しそばとして受け継がれていったのだそう。

 

なぜお蕎麦?込められた5つの願い

年越しそばには、新しい年を健やかに迎えるためのさまざまな願いが込められているんです。

●一年の厄を断ち切る(厄落とし)
お蕎麦は他の麺類に比べて切れやすい特徴があります。
そこから「今年一年の災厄や苦労を断ち切る」という意味が込められているのだとか。
「縁切りそば」と呼ばれることもあるほどです。

●健康長寿を願う
細く長く伸びるお蕎麦の形状にあやかり、"健康で長生きできますように""家運が長く続きますように"という願いが込められています。

●金運アップ
かつて金銀細工師が、飛び散った金粉を集めるのにそば粉で作った団子を使っていたことから、"そばは金を集める縁起物"とされたのだとか。
ここから金運上昇や商売繁盛を願って食べられるようになったんだそう。

●無病息災・復活の願い
そばの植物は、雨風に打たれても日光を浴びるとすぐに起き上がる強い生命力を持っています。
そこから捲土重来、つまり失敗しても再び立ち上がる象徴や、健康の縁起物とされているのです。
江戸時代には脚気の予防に良いとされていたこともあり、健康食としても親しまれてきたのです。

●運気上昇
鎌倉時代、博多の承天寺で貧しい人々に振る舞われた世直しそばを食べた人たちに幸運が訪れたという伝説から、運気を上げる食べ物としても知られています。

食べるタイミング、実は決まりはない?

夕食に食べるべき?
それとも除夜の鐘を聞きながら?

迷ってしまいがちな年越しそばのタイミングですが
実は大晦日のうちであれば、いつ食べても良い とされています。

ただし、ひとつだけ気をつけたいのが
年をまたがないこと。

年越しそばは「厄を断ち切る」意味を持つ食べ物。
年を越してから食べてしまうと、
厄を新しい年に持ち越してしまうと考えられてきました。

また、食べ残すと「金運に恵まれない」という言い伝えも。
大晦日のうちに、感謝を込めて美味しくいただくのがおすすめです。

 

地域で違う年越しそば

年越しそば=温かいかけそば、というイメージがありますが、
地域によって具材も、食べるタイミングもさまざまなんです。

●北海道・京都府「にしんそば」
甘露煮した身欠きにしんをのせたそば。
「二親」から子孫繁栄を願う意味が込められています。

●岩手県「わんこそば」
岩手県の一部では、年の数だけわんこそばを食べると長生きできる言い伝えがあるのだとか。

●福島県(会津地方)「元旦そば」
大晦日ではなく、元旦にそばを食べる地域も。
"元旦そば、二日もち、三日とろろ"という言葉があり、新年の最初にそばを食べて長寿を祈願するのです。

●新潟県「へぎそば」「十四日そば」
布海苔をつなぎに使ったツルツル食感のへぎそばが有名な新潟県。
一部地域では小正月の前日である1月14日に十四日そばを食べる風習も残っているのだそう。

●福井県「越前おろしそば」
大根おろしをたっぷりと使った冷たいそばで年を越すのが福井流。大根の辛味が特徴で、こたつに入って冷たい蕎麦を食べるのが冬の楽しみなんだとか。

●島根県「釜揚げそば」
出雲地方では、茹でたそばを水洗いせず、茹で汁ごとに器に入れてつゆをかけて食べる「釜揚げそば」が親しまれています。

●香川県「年越しうどん・年明けうどん」
さすがうどん県!香川では年越しにうどんを食べる家庭も多くあるのだそう。さらに近年では、新年に紅い具材をのせた「年明けうどん」を食べて幸せを願う新しい文化も定着しつつあるのだそう。

●福岡県(博多)「運そば」
博多では、そばを「運そば」と呼び、幸運を呼び込む食べ物として親しまれています。

●沖縄県「沖縄そば(ソーキそば)」
沖縄のお蕎麦といえば、小麦粉で作られた沖縄そば。大晦日には日本そばではなく、ソーキ(豚のあばら肉)などが乗った沖縄そばで年を越すのが一般的なのだそう。

大晦日の食卓を彩る玉虫塗

由来や地域ごとの違いを知ると、今年の年越しそばはいつもより少しこだわってみたくなりませんか?

具材やつゆにこだわるのも素敵ですが、
器を変えてみるのも、年の締めくくりにおすすめです。

47 TREASUREがおすすめしたいのが、玉虫塗のお椀。
玉虫塗 の名の通り、この器の特徴は、光の当たり方によって色合いが変化する、
吸い込まれるような深い艶と輝き。
この独特な美しさは、銀の粉を蒔いた上から色のついた透明な漆を塗り重ねるという独自の技法によって生まれます。

下地の銀が光を反射し、漆を通して虹色のような柔らかな光沢を放つのです。

一年を振り返りながら手に取ったとき、角度によって表情を変える器は、
まさに「ハレの日」にふさわしい華やかさを演出してくれます。

このお椀は年越しそばはもちろん、日常の料理にも寄り添う多様椀です。

ペアセットなので、ご家族やご夫婦で囲む大晦日の食卓にもぴったり。
使うほどに愛着が深まる器が、新しい年への活力をそっと与えてくれるはずです。


厄落とし、長寿、金運、そして運気上昇。
たくさんの願いが込められた年越しそば。

いつもの味を楽しむのも良いですが、
今年は少し視点を変えて、
違う地域のそばを取り寄せたり、新しい器を迎えてみたり。

どうぞ、美味しいそばとともに、穏やかな年越しを。
皆さまにとって、来る年が実り多い一年となりますように。



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