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2025.12.18

新しい年は、器から。「晩酌」を格上げする、日本の手しごと

 
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1年の締めくくりと、新しい年の始まりが交差するこの時期。
仕事納めを控え、冷たい風の中を家路に付きながら
"今夜は、ゆっくり一杯やりたいな"
そんな風に思う夜も増えて来るのではないでしょうか。

いつものビール、いつもの日本酒、いつものウイスキー。
中身は同じでも注ぐ"器"が変わるだけで、
味わいも、その場の空気さえもガラリと変わるもの。
もうすぐやってくる2026年。 
新しい年の幕開けは、職人の技が宿る特別な酒器で、
晩酌の時間を少し贅沢に「格上げ」してみませんか?

今回は、年末年始の特別な食卓にふさわしい、光と色彩を楽しむ日本の伝統工芸品を3つご紹介します。

漆黒の奥に光る「藍」を愛でる―TOUCH CLASSIC


「観る工芸から、使う工芸へ」という想いのもと、伝統的な「玉虫塗(たまむしぬり)」を現代のライフスタイルに合わせて生まれ変わらせたシリーズ"TOUCH CLASSIC"。

このグラスの最大の特徴は、吸い込まれるような「黒」。
玉虫塗と言えば、鮮やかな紅や緑が思い浮かべますが、
あえて黒を基調にすることで、より洗練された表情に仕上げられているんです。

下地に蒔かれた銀粉が光を受け、角度によって深い藍色のような艶がふわりと立ち上がる——ただの黒ではない、奥行きのある美しさ。

グラスを傾けるたび、底に宿る銀粉の層がやわらかく光を返し、
夜の海や、月明かりに照らされた山の稜線を思わせる景色を見せてくれるのです。

素地には、東京・墨田区の老舗「松徳硝子」による
極限まで薄く吹かれた「うすはりガラス」が使われています。

水の膜のような透明感をもつガラスに、宮城の職人が一つひとつ漆を重ねていく。
地域を超えた手仕事の重なりも、このグラスの魅力のひとつです。

ウイスキーをロックで楽しむなら「オールドグラス」。
冷酒やリキュール、あるいは日常のアイスコーヒーには「タンブラー」を。
薄い飲み口が飲み物本来の味をダイレクトに伝えつつ、
漆のしっとりとした手触りが心を落ち着かせてくれるはず。

「勝利」の名を持つグラスで祝杯を ― 玉虫塗 ビクトリーグラス

家族や親戚が集まる新年会や一年の計を立てる元旦の朝。
そんな「ハレの日」の乾杯には、同じく玉虫塗のビクトリーグラスはいかがでしょうか。

「ビクトリー(勝利)」という名が冠されたこのグラスは、
まさに祝杯をあげるために生まれたような逸品。

仙台生まれの漆芸である玉虫塗の特徴である
タマムシの羽のように艶やかに照り返す発色と光沢が、
そのままグラスに閉じ込められています。

カラーバリエーションも豊富で、
定番の紅や緑に、新色として登場した「金」「銀」「銅」「青」。

玉虫塗ならではの奥行きある輝きが、
冷酒やウイスキーの色合いをいっそう引き立ててくれるはず。

「漆器は扱いが難しそう」
そんな印象を持たれる方も多いかもしれません。

玉虫塗はもともと国策として輸出用に開発された歴史もあり、
丈夫で割れにくく、耐久性に優れているのが特徴的。

丁寧に使い続けることで、長く愛用でき、時を重ねるごとに色艶が深まっていく
「育てる楽しみ」もあるんです。

2026年、何かに挑戦したい方、勝負の年だと感じている方への贈り物としても、
その名の通り背中を押してくれるような存在になるのではないでしょうか。

白磁に光が透ける、宝石のような一杯 ― 丹心窯 水晶彫ワイングラス

ワイン派の方、あるいは香り高い日本酒や焼酎がお好きな方におすすめしたいのが、
長崎県波佐見焼の丹心窯が手がける「水晶彫」のワイングラス。

白い磁器の器なのに、なぜか光が透けてキラキラと輝いている――。
初めて見る方は、その不思議な美しさに目を奪われるかもしれません。

これは、白磁の素地に一つひとつ手彫りで穴をあけ、
そこに秘伝の調合で作られた粘土を詰めて焼くという、丹心窯独自の高度な技法によるもの。
 高温で2回焼成することで、詰められた粘土がガラスのように透明になり、
まるで水晶が埋め込まれているかのような輝きが生まれるのです。

飲み物を注ぐと液体の色が透け、
宝石のように卓上を彩るワイングラス。

丸みを帯びたフォルムは、香りを逃がさず、旨味を引き立てる設計。
ワインはもちろん、日本酒や焼酎、紹興酒にもよく合います。

気取らずカジュアルに、けれど上質な時間を楽しみたい。
そんな大人のわがままを叶えてくれるグラスです。


2026年、新しい一年の始まり。
ぜひ、あなたの手に馴染む「一生モノ」の酒器を迎えて、素敵な晩酌の時間をお過ごしください。



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