風鈴の音色に願いをのせて ― 川越氷川神社「縁むすび風鈴」
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みなさん、「縁むすび風鈴」ってご存じですか? 埼玉・川越の由緒ある川越氷川神社で行われている、風と音と光が織りなす夏の催しです。
境内に吊るされた江戸風鈴が、風に揺れるたびにチリンと澄んだ音を響かせる――。
その音色は暑さを忘れさせてくれる涼やかな調べであり、同時に人々の願いを天へと運んでいく祈りの響きでもあります。
今年(2025年)は、6月28日(土)から9月15日(月)まで開催。
昼は太陽の光を浴びてきらめき、夜はライトアップに包まれ幻想的な表情を見せ、訪れる人々を魅了しています。
縁むすび風鈴ってなに?
スタートは2014年、今年で 12回目 を迎え、今では川越の夏を彩る定番行事となっています。
境内にはなんと 2,000個以上の風鈴 がずらり。短冊に願いを書いて結ぶと、風がその願いを運んでくれるといわれています。氷川神社が“縁結びの神さま”として知られているだけに、恋愛成就を願う人も多いのだそう。
川越氷川神社と「縁むすび」の由来
川越氷川神社の創建は、今から約1500年前、欽明天皇二年(541年)にまでさかのぼります。室町時代には、太田道真・道灌父子が築いた川越城の守護神として崇められ、以後、藩領の総鎮守として篤い信仰を集めてきました。
ご祭神は五柱。そのうち二組は夫婦の神様であることから、古くより「縁結びの神様」として人々に親しまれてきました。また、「むすび」という言葉は古事記に登場する神「産霊(ムス・ヒ)」に由来し、“新しいものを生み出す力”を意味します。川越氷川神社は、この「むすび」の精神を今に受け継ぎ、多くの人々の祈りを受け止めているのです。
見どころは風と光が織りなす景色

「縁むすび風鈴」の魅力は、風鈴の美しさにとどまりません。そこに込められた願いや、境内全体を包み込む体験そのものが、多くの参拝者を惹きつけているのです。
風鈴回廊
本殿横に設けられた回廊は長さ約8m。頭上を覆うように吊るされた風鈴が一斉に鳴り響きます。
境内の各所には合わせて約2000個もの風鈴が飾られ、昼は光を浴びてきらめき、夜はライトアップによって幻想的な姿を見せてくれます。
光る川
夕暮れ時、小川に灯りがともり、水面に揺らめく光と霧が重なり、まるで“地上の天の川”のような景色が広がります。
地上の雲
社紋「雲菱」にちなみ、境内には霧でできた雲がふわりと現れます。涼しさをもたらすだけでなく、非日常的な情景を演出します。
授与品
期間中は縁むすびにちなんだお守りや御朱印が授与されるほか、職人の手による江戸風鈴を授かることもできます。ひとつひとつが手作りで、形も色も音色も異なる“世界にひとつだけの風鈴”は、訪れた証として特別な品です。
氷川涼風荘
さらに今年は、境内の氷川会館が「氷川涼風荘」として開放されているのだとか。風鈴を楽しんだあとに涼やかに過ごせる空間は、夏の参拝を一層快適にしてくれるでしょう。※毎週水曜日は定休日
願いを風にのせて
「風が人の想いを運んでくれる」――そう信じられていた昔。縁むすび風鈴は、その心を今に伝える行事ではないでしょうか。
参拝者は短冊に願いをしたため、風鈴に結びます。風が吹き、音が響くたびに願いは天へと届き、境内全体が祈りの音色で満ちていきます。
開催概要とアクセス

ライトアップ:毎日20時まで
所在地:埼玉県川越市宮下町2-11-3
アクセス:JR・東武東上線「川越駅」から東武バスで「川越氷川神社」下車すぐ / 西武新宿線「本川越駅」からバスで約10分、「氷川神社前」下車
境内を訪れるだけでなく、周辺には「蔵造りの町並み」や「菓子屋横丁」など、川越ならではの観光スポットも点在しています。風鈴とあわせて、小江戸の街歩きも楽しめますよ^^
江戸風鈴をご自宅で
川越氷川神社の風鈴は、この行事のために特別に用意されたものです。しかし「江戸風鈴」という工芸自体は、江戸時代から脈々と受け継がれてきた伝統文化。
47 TREASURE でも江戸風鈴を取り扱っています。透明なガラスと澄んだ音色を暮らしの中に迎え、夏を涼やかに楽しんでみませんか?
参考
●川越氷川神社 縁むすび風鈴公式サイト●川越氷川神社 公式サイト
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