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2025.10.23

長く使うためにできることー漆器のお手入れ

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「漆器って扱いが難しそう」と思われる方もいるのではないでしょうか。
電子レンジや食洗機には向いていませんが、
実は、少しの工夫で長く使い続けることができるんです。
今回は、毎日の中でできる漆器のお手入れ方法をご紹介します。

使ったあとの洗い方

使ったあとは、なるべく早めに洗うことが大切です。

ぬるま湯を使い、やわらかいスポンジや布で優しく。
中性洗剤を使う場合は、ほんの少しで十分。

金属たわしや漂白剤は、表面を傷める原因になってしまうので避けるのが吉。
熱湯をかけるのも×。
急激な温度変化で、ひび割れの原因になるんだとか。

汚れが落ちにくいときは、ぬるま湯に少しつけておくと汚れがやわらぎます。
だけど長時間のつけ置きは避け、短時間で済ませるのがポイントです。

拭き方と乾かし方

洗ったあとは、水分をすぐに拭き取ってください。
乾いたやわらかい布で軽く押さえるように拭くと、水跡が残りません。

自然乾燥の場合は、直射日光の当たらない風通しの良い場所に。
強い日差しや、ドライヤーの熱風は、漆の艶を失わせる原因となってしまいます。

漆器は乾燥しすぎるのも苦手。
湿気がある程度ある場所に保管することで、ひび割れを防げるのだとか。

保管方法

食器棚にしまうときは、他の器と重ねすぎないように注意です。
重ねる場合は、間に柔らかい布や紙を1枚挟むと安心。

季節の変わり目など、空気が乾燥している時期には、
時々使ってあげることが一番のメンテナンスになるのだとか。

使わずにしまい込むより、日常的に使っていただく方が長持ちするんです。

使いながら育てていく

漆器は、使うほどに艶が増していく器。

手の油分や温度で表面が少しずつ磨かれ、深みのある光沢が生まれる。
そして小さな傷やかすれも、使い続けるうちに味わいに。

もし欠けたり塗りがはがれたりしても、
本漆の器なら「塗り直し」や「修理(作治)」など
直して使い続けることができるのも、漆器の魅力です。


毎日手に取り、洗い、拭いて使う。
その繰り返しの中で、少しずつ艶を深めていく器。

結婚祝いや記念品として贈られることも多い漆器。
日々の暮らしの中で丁寧に扱うことで、
長く寄り添う“育てる器”として、その魅力がより豊かに。


手に取るたびに、静かな艶とあたたかさを感じられる。
そんな一客を、ご自宅にも迎えてみてはいかがでしょうか。


参考

  • すぐわかるうるし塗りの見分け方(東京美術)

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