一本さんのもう一つの顔:横須賀の“異空間”「どぶ板通り商店街」の魅力に迫る!
スカジャンの奥深い世界を教えてくれた一本和良さん。
彼の人生と情熱が縫い込まれたスカジャンは、
まさに“作品”と呼ぶにふさわしいものでした。
しかし、一本さんの情熱はスカジャンだけにとどまりません。
彼が生まれ育ち、今も活躍の場としている
「どぶ板通り商店街」
ここに、深い愛情と地域活性化への熱い想いが込められています。
今回は、一本さんが
”ちょっとやっぱ変わってて、米兵が夜には出てきて賑やかだし” と語る、
独特の雰囲気が漂う「どぶ板通り商店街」の魅力を
ご紹介します。
「どぶ板通り商店街」とは?
─日本とアメリカが融合する独特の街─
京急線汐入駅(神奈川県横須賀市)から米海軍基地にかけて広がる
「どぶ板通り商店街」。
正確な住所は神奈川県横須賀市本町ですが、
地元の人々のほとんどが「どぶ板」の愛称で親しんでいます。
どぶ板通りとは?
このユニークな名前の由来は、
明治時代に帝国海軍の軍港街として栄えたこの通りの中央に流れていたドブ川に、海軍工廠から提供された厚い鉄板で蓋をしたこと。
それがいつしか「どぶ板通り」と呼ばれるようになり、
現在でもその呼び名が定着しています。
魅力満載のどぶ板通り商店街
第二次世界大戦後、横須賀に駐留した米軍の街として発展を遂げたどぶ板通りは、今もなお日本とアメリカの雰囲気が融合する独特の商店街です。
通りを歩けば、英語で書かれた看板を掲げる飲食店や自動車ディーラー、不動産屋が目に飛び込み、夜にはネオンが鮮やかに光り、洋楽のメロディや英語が聞こえてくるなど、 まるで海外にいるかのような異国情緒を味わえます。

昔ながらの肖像画店、ミリタリーショップ、スーベニアショップ、外人バーやレストランなど、実にバラエティ豊かな業種が軒を連ね、その多様性も大きな魅力です。
また、どぶ板通りには、ニューヨークのロックフェラーセンターやエンパイアステートビルを模したモニュメントが点在しており、これらは1991年にアメリカンストリートとして再整備された際にシンボルタワーとして設置されたものです。

さらに、横須賀になじみのある有名人の手形レリーフが通りのモールに埋め込まれているのも見どころの一つです。
一本さんが語る「どぶ板」の魅力と活性化への情熱
一本和良さんは、スカジャン専門店「MIKASA」の店長であると同時に、どぶ板通り商店街振興組合の副理事長も務めています。
一本さんは、どぶ板通りを
”夜には米兵が出てきて賑やかだし、スカジャンだけでなくミリタリーのお店、あとバーが結構多い”
と表現し、昼と夜で異なる雰囲気が楽しめる点を魅力として挙げています。
日本人も楽しめるどぶ板通り商店街
かつて米軍関係者の来街減少により賑わいが失われた時期もありましたが、商店街が中心となって日本人をターゲットとした街づくりを展開し、「ドブ板バザール」などのイベントを通じて来街者増加に成功しました。
一本さんたち商店街は、どぶ板通りの魅力を活かしたまちづくりに積極的に取り組んでいます。
- 例えば、
- 海外旅行で余ったドル紙幣で買い物すると特別サービスが受けられる「ドル街キャンペーン」
- 横須賀市在住の米軍関係者を講師とする「まちなか英会話教室」
- スカジャン着用者に特別サービスを提供する「スカジャン割」キャンペーン
どぶ板通りのマンホールは、スカジャンデザイン
さらに、一本さんは地域活性化への熱い思いから、具体的な取り組みを推進しています。
スカジャンデザインマンホールの設置です。

令和5年7月15日にどぶ板通り近くの歩道(MIKASA CAFE前)に設置されたマンホールは、スカジャン柄デザイナー横地広海知氏によるデザインで、鷲、トラ、竜、富士山といった伝統的な図柄と「YOKOSUKA」の文字が描かれています。
同様のデザインのスカジャンをモチーフにしたストリートフラッグも商店街に掲げられており、これらも一本さんが副理事長として関わった成果と言えるでしょう。
一本さんの”それやろう精神”で誰でも楽しめる街へ
かつては「危ない」というイメージを持たれることもあったどぶ板通りですが、 現在では防犯カメラの整備や米軍との協力による見回り強化。
老若男女が安心して楽しめる街へと変化しています!
一本さんは
”「それ誰もやってないよ?」って言われたら、「よし、それやろう」って思っちゃうんですよ”
と語り、常に新しい挑戦を模索する一本さんのモットーが、どぶ板通りの多様な活性化策を支えていることがわかります。
スカジャン発祥の地としての「どぶ板」とMIKASAの歴史
どぶ板通りは、世界中で人気のファッションアイテムである
スカジャン発祥の地として知られています。
一本さんの家業である「MIKASA」を運営するHH商会は、明治時代に横須賀市本町どぶ板通りで「一本酒店」として歴史をスタートさせました。
1951年、一本さんの父親が基地に寄港した米兵向けのスーベニアショップを開業したのが、スカジャンとの出会いでした。
以来70年以上、場所や業態を変えながらスカジャンや洋服を販売し、スカジャンの歴史と共に歩んできました。
MIKASAは、戦後米兵向けのお土産品として販売されたデッドストックを保有するなど、 スカジャンに関する専門知識と歴史的な背景を深く持っています。
ドブ板スカジャン研究会の設立と
「還ジャン」の開発
一本さんは、スカジャン絵師の横地広海知さんと共に「ドブ板スカジャン研究会」を設立し、街の歴史を探りながら、スカジャンの文化を未来へとつなぐ活動を行っています。
近年では、還暦祝い専用のスカジャン
「還ジャン®」を独自開発しました。
これは、古くから還暦祝いに用いられてきた赤色をベースカラーとし、胸に干支の柄、背中下部には名前の刺繍を施すことで、世界に一つだけのオリジナルスカジャンに仕立てる商品です。
この「還ジャン®」は、刺繍職人の高齢化や減少といった課題に直面しながらも、スカジャン文化を発展させ、日本で生まれたユニークな洋服の文化を未来へとつなぐという一本さんの強い願いが込められた商品です。

MIKASAの店主 一本さんの存在が「異空間」
どぶ板通りは、ネイビーバーガーや海軍カレー、チェリーチーズケーキといったご当地グルメが楽しめることでも有名で、一本さんのお店でも海軍カレーとチーズケーキを提供しているとのこと。

スカジャンだけでなく、食を通じて横須賀の魅力を発信している一本さんの存在が、どぶ板通りの“異空間”としての魅力をさらに深めてます!
▼MIKASAへのアクセス
所在地:神奈川県横須賀市本町2-7
アクセス:京浜急行線「汐入駅」より徒歩5分「横須賀中央駅」より徒歩10分、JR「横須賀駅」より徒歩15分
営業時間:11:00〜18:00(不定休)
公式サイト: https://sukajyan.com/
まとめ:スカジャン発祥の地には、とことん人間くさい場所
一本さんと話していると、
スカジャンだけでなく、発祥の地である「どぶ板どおり」の魅力に引き込まれていきました。
一着に込められた職人のこだわりが生まれる街。
その街で培われた思いやユニークさ、文化の融合がスカジャンに縫いこまれていま!
(スカジャンだけにパート2 ^^)
ちょっと気になるかも?と思った方、
ぜひどぶ板通りへ足を運んでみてください。
▼どぶ板通り商店街へのアクセス
所在地:神奈川県横須賀市本町2-7(ドブイタステーション)
アクセス:京浜急行「汐入駅」より徒歩5分「横須賀中央駅」より徒歩10分、JR横須賀線「横須賀駅」より徒歩15分、車でのアクセスは、横浜横須賀道路「横須賀IC」よりすぐ
営業時間:各店舗の情報をご確認ください
駐車場:周辺にコインパーキングあり、「コートスカイベイサイドストアーズ駐車場」では、ドブ板通り商店街ご利用で屋上のみ1時間無料
公式サイト: https://dobuita-st.com/